お寿司が大好きで週に2度はくら寿司やスシローなどに通う私ですが、8年ほど前の事です。小腹が空いたので駅のコンビニでおにぎりを買って食べようと思い、パッと目についたねぎとろおにぎりを購入しました。当時ではちょっとお高めの180円くらいの物で、具がたっぷりの大きめのおにぎりでした。いつもは100円の物しか買わないので、たった80円ですが気持ちはかなり贅沢な感じで。なんか分かりますかね、80円しか変わらないんですけ何故か買うのに勇気がいると言うか何というか。。。
まあ貧乏たらしい話は良いとして、思わず手に取った理由は「パッケージの写真がめちゃ旨そう」だったからで、マグロのピンクと緑のネギのコントラストが絶妙だったからです。
購入してすぐに仕事場にもっていき、ちょっとルンルンで食べ始めたところ、
「ネギが入ってない!!!」
食べても食べてもネギがないっ!!!そんな、まさか、いやそんなことは・・・でも、偏ってるんじゃ。。。とか思っているうちに食べ終わった。
同僚にそれを言うと「不良品じゃん?電話してみれば?」と言われ、まあ確かに一日何千個と作っているだろうから何かの間違いじゃないかと思い、封に記載されている電話番号に興味本位で電話をいれてみたのですが、マグロじゃなくてネギが入っていないくらいでクレーム入れるのもちょっと気が引けるような面持ち。
私 「すいません、ちょっとお伺いしたいのですが、先ほど新宿の〇〇で買った御社のねぎとろおにぎりなんですが、中にネギが入ってないんです。」
会社 「お買い上げありがとうございます。お客様、その商品の写真をご覧ください。写真はイメージですと書かれていませんか?」
私 「は?(ちょっとイラっ)確かに書かれていますけど、それは盛り付けのイメージであって、ねぎとろにネギが入っていないってのはどうなんですか?
会社 「そうは言われましてもイメージはイメージですし、これまでそういったお声は一切入っておりません。」
私 「それではこのねぎとろおにぎりにはもともとネギは入っていないんですか?これまずくないですか?」※当時食品業界で産地偽装や改ざん行為が取りざたされていたため、私も過敏になっていた
会社 「そういった認識はございません。お客様、そういう事情ですからご対応はしかねます」
と電話は終り、その日のうちに同僚、部下、取引先の方など、仕事で関わる全ての人にこの話をして散々喚いていたところ、取引先の方から「もう一回電話を入れて、対応不備でクレームをつけるべきだ」と言う意見が出た。私もその方も飲食の仕事をしているので、商品不備よりもその対応自体に問題があると思ったからだ。
そしてもう一度電話を入れ、事の経緯を説明したところ、カスタマー担当の長が対応してくれることに。
「たかがネギがないくらいでなんでこんな事に」と言う話なんですが、そんな小さな声にも真摯に対応するのが企業としてあるべき姿であり、「ねぎとろおにぎり」にネギが入っていないわけですから絶対に私以外にも電話をしている顧客がいるはずだと思いその担当長に詳細に説明をすると、、、
まず対応の不備に対する謝罪があり、商品に関する説明が始まったのですが、それがなんと衝撃的な内容で、
そもそも「ねぎとろ」の「ねぎ」は「ねぎりとる」が基であり、マグロのあばら骨から赤身をスプーンでねぎりとると言う事から付いたネーミングだとっ!ネギを振っているのは見た目が映えるのと、ネギとねぎりとるを引っかけた洒落のような感覚らしい。
謝罪を受けたあとに丁寧にこの話を聞いて、私はすっかり納得し素晴らしい対応をしてくれた担当長にお礼をして電話を切った。
30過ぎたおっさんが、ねぎとろにネギが入っていないだけでメーカーに電話を入れてなんてみっともないんだろう、と後から恥ずかしくなったが、いいお勉強になりましたねこれは。クレーム対応のお手本のような真摯な対応にも触れる事が出来たので非常に良かったなと感じた。
ここ最近では「ねぎとろのネギはねぎりとるから付いています」のような一言を添えてあるケースをよく目にします。
多分私と同じような人がちらほら出ているから、誤解を招かないように記載しているのでしょうね。
お寿司が好きなくせにそんなことも知らんのか、と言うちょっと昔の恥ずかしい出来事です。
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ないす